J3に降格した悔しさを握り締めながら戦うプロ2年目。上へと這い上がっていこうとする気持ちが強い分、現状は歯がゆい。「僕らはもっと上の順位にいるべきだし、そのためにチームに何ができるのか、日々考えながらです」
　思いを巡らせ、この答えにたどり着く。結果が付けばチームも個人も自信を手にできる。だから今やっていることをブレずにやり続けることが大事なんだ――と。
「『結果が出ていないじゃないか』と指摘されればそれまでですが、今やっていることを突き詰めて結果を出すことができれば、魅力的で楽しいサッカーを構築できる、という感覚はあります」
　そうなるべく、自分が”ハブ”になろうとする意識は強い。
　チームの得点力不足を解消すべく、ボランチとして攻撃参加への意識を高めつつ、周りを見ながら微調整を加えるべく心を配る。先週末の天皇杯1回戦でいえば、川名連介がドリブルモードに入った瞬間に「自分が関わることで連介がドリブルする道を作る」ことでチームの先制ゴールをおぜん立てた。ボランチの相方である藤原健介が「前でボールを動かせて、決定的なパスを届けられる」からこそ、自分は攻撃過多になるのを防ぐためにバランスを保つ。それが現状のチームの失点数の少なさに繋がっているとの認識からだ。 「（藤原）健介も自分が前に関わったときはしっかりと守備に戻って中を締めてくれますが、自分としては健介ができるだけ活き活きとプレーできるように後方支援に力を注ぐという考え方です」
　ピッチ外では大卒ルーキーの後輩らと食事に行き、少しでも彼らがチームに溶け込むための一助になればと立ち回る。2年目で同期の川名や井出真太郎と一緒にいれば、和気あいあいとした中に、ふいに「俺たちが引っ張っていこう」「自分たちがこのチームを変えていこう」と真剣になって言葉を交わすときがある。「だったらもっとやらなきゃいけないよな？」と危機意識を共有する瞬間だ。
　プロの試合に慣れ、試合に向けた日々の食事や体調管理もこなれてきた。あらゆることに耐性が付き、ケガに対する強さも身についてきた。そうしてチームの主軸に成長したからこそ、栃木SCを背負って立とうとする意識も昨季の比ではない。このクラブを大事に思うからこそ、それらを揺るがすような鮮烈な出来事が心に残る。 「栃木シティとのダービーの初戦で引き分けたとき、SNS上でサポーターの方が離れていくような書き込みを目の当たりにしたことがあるんです。プロの世界はそういうものだと感じたし、自分たちが勝つことで取り戻さなければいけないと思わされた出来事です。だからNEZAS杯でシティに勝ち切れたことは大事な出来事だったと思います」
　なかなか勝てない状況の中、勝つことが正義だと痛感してきた。
「勝って喜ぶ。それが一番幸せを感じられる瞬間だし、勝ったあとのサポーターの皆さんの笑顔がまた頑張ろうという活力になるんです」
　だから勝ちたい。とにかく勝ちたい。勝つための最善は何か。青島はとことん考え、勝つための行動を続ける。 

（文・鈴木康浩）